EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(121)

学会奨励賞(難治性ATL移植)

 第29回日本造血細胞移植学会総会の学会奨励賞として選ばれた「治療抵抗性進行期成人T細胞白血病」の演題抄録の一部を紹介します。

対象:治療抵抗性進行期成人T細胞白血病5例に、施設倫理委員会にて承認された「骨髄非破壊的前処置を用いたHLA不適合血縁ドナ-(子)による移植」を施行。年齢の中央値は59歳。ドナ-年齢中央値は29歳。

結果:全例が生着し、急性GVHDⅡ度以上は3例に認めた。慢性GVHDは3例。4例が再発し、2例が死亡。残りの2例はDLIと治療にて再寛解となる。1例は無病生存中。PFS(progression free survival)は26.7%である。観察期間の中央値は8ヵ月。

結論:HLA一致ドナ-の得られない治療抵抗性進行期成人T細胞白血病に対する、骨髄非破壊的前処置によるHLA不適合親子(子)間移植は、安全に施行でき、治療選択肢のひとつとなる可能性がある。

コメント:本研究の続報が期待されます。欠点は高い再発率と思われます。移植が親子間で可能となれば、ATLが進行期となる前からの治療戦略が展開出来、高い移植後の寛解率が見込めます。

文献1.藤原 弘 他.治療抵抗性進行期成人T細胞白血病に対する骨髄非破壊的前処置とHLA不適合血縁ドナ-を用いた同種造血細胞移植;親子間移植のPilot study報告。WS6-1、第29回日本造血細胞移植学会総会抄録集 162ペ-ジ。福岡、2007年2月16日。