EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(130)

Arsenic and interferon in ATL
(ATLへの亜ヒ酸とインターフェロン)

 成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL/ATLL)の再発例では有効な抗がん剤治療法が少ないとされています。今回、亜砒酸とインタ-フェロンを用いた第Ⅱ相試験の結果を紹介します。対象は4例の急性型と3例のリンパ腫型です。3例は初回治療難反応性で4例が再発です。年齢は28歳から56歳。年齢中央値は46歳です。治療効果は3例が部分寛解、1例が完全寛解そして3例は無効でした。結局、7例中、1名が現在も寛解を維持し、6名は死亡しています。治療毒性としてはほぼ全例に以下のものが発現しました。1.血液毒性、2.神経毒性、3.心臓-頻脈や不整脈、QT延長4.消化器や肝臓病 等。結論として良好な反応がみられましたが、毒性も強く6例が死亡。

コメント:フランスのATLは発病年齢が日本よりも若いという印象。
      治療戦略としては亜砒酸とインタ-フェロンへの反応がみられたあとに、      移植治療が有望と思われます。

文献 Hermine O et al. Phase Ⅱ trial of arsenic trioxide and alpha interferon in patient with relapsed/refractory adult T-cell leukemia/lymphoma. Hematol J 2004;5:130-134.