EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(146)

PBSC vs BM transplants for SAA

(重症再生不良性貧血へのPBSCT---worse outcome)

 対象は692例の重症再生不良性貧血。EBMTとCIBMTRに登録された1995年から2003年までの症例です。 134例が末梢血幹細胞移植(PBSCT)で、558例が骨髄移植(BMT)です。 ①造血の回復、生着は2群とも良好。②急性GVHD頻度は2群間に差を認めません。  慢性GVHD頻度は20歳以下、PBSCTが27%。 BMTでは12%と有意差があります。 ③全死亡率は20歳以下でPBSCT群がBMT群よりも高く、その結果、下図のように、全生存率 (Overall survival) に差がみられます。 ただし、有意差はありません。 このBrief reportでは若年の重症再生不良性貧血に対するHLA一致の同胞間移植はPBSCTよりもBMTが好ましいと結論づけています。



コメント:Worse outcomeという論文タイトルにびっくり。 EBM145と関連します。 この報告はrandomized studyでない。

文献:Schrezenmeier H et al. Worse outcome and more chronic GVHD with peripheral blood progenitor cells than bone marrow in HLA-matched sibling donor transplants for young patients with severe acquired aplastic anemia. Blood 2007; 110:1397-1400.