EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(200)

-International ALL Trial-
(急性リンパ性白血病の治療選択)

 急性リンパ性白血病(ALL)の治療成績を比較しました。
  寛解後に
   ①同種移植
   ②2.5年の化学療法継続
   ③自家移植の3群間解析(MRC UKALLXII/ECOG E2993)。
  対象年齢は15歳から59歳まで。 2006年までの登録症例。
 結果:症例の詳細は論文中Fig 1.を参照。 1913例の5年全生存率は39%。
  血縁HLA一致ドナ-がいて同種移植施行した群①の5年全生存率は53%。
  血縁HLA一致ドナ-がいない化学療法継続群②の5年全生存率は46%、
  そして自家移植群③229例は37%。
 初回寛解例への同種移植は標準リスク群に限定すれば、5年全生存率が62%と良好でした。 移植による抗白血病効果(GVL)の関与が考えられます。 しかし、高齢などハイリスク群での移植関連死亡率は2年で36%と受け入れがたいほどに高く、移植治療は若年層に適しています。

コメント:高齢者には数年前から普及してきたミニ移植という選択肢があります。



文献 : Goldstone AH et al. In adults with standard-risk acute lymphoblastic leukemia, the greatest benefit is achieved from a matched sibling allogeneic transplantation in first complete remission, and an autologous transplantation is less effective than conventional consolidation/maintenance chemotherapy in all patients: final results of the International ALL trial ( MRC UKALL12/ECOGE2993) Blood;111:1827-1833.