EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(203)

-CBSCT vs BMT-
(CBは移植細胞源の第一選択肢?)

 16歳以下の小児白血病例にさい帯血移植(CBSCT)を施行し、その結果を骨髄移植(BMT)と比較した報告です。 兄弟間にHLA一致ドナ-がいない時の移植細胞源の選択肢にはさい帯血と非血縁者間骨髄があります。
 さい帯血利用の503例と骨髄バンクからの移植282例の5年無病生存率を比較しました。 HLA一致さい帯血移植(35例)の生存率がもっとも高く60%でした(下図)。 HLA一致の骨髄移植(116例)とさい帯血HLA 2座mismatch267例の5年無病生存率はそれぞれ38%、33%。 もっとも低い再発率はさい帯血のHLA 2座mismatch群でした。



結論:さい帯血利用による小児白血病の移植成績は骨髄移植と同等です。

コメント:成人のさい帯血移植成績はEBM(2)、(106)、(153)を参考に。

文献1:Eapen M et al.  Outcomes of transplantation of unrelated donor umbilical cord blood and bone marrow in children with acute leukaemia: a comparison study. Lancet.2007; 369: 1947-1954.