EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(213)

-Unrelated CBT in CML-
(日本のさい帯血移植)

 86例のCML(慢性骨髄性白血病)に対してさい帯血移植を施行した日本の報告。 移植時期は慢性期が38例、移行期13例そして急性転化期35例です。 診断から移植までの中央値は1.5年。 移植関連死亡率(TRM)は51歳以上で49%、16歳から50歳までが20%、15歳以下では11%と高齢であることは危険因子です。 移植時期が進行期(移行期、急性転化期)でかつ少ない移植細胞数であればさらに予後不良です。 下図は(文献 Fig 5)欧州造血細胞移植グル-プ(EBMT)が提唱した(Lancet. 1998; 352: 1087-1092)スコアリングで今回の86例のTRMとOSを示しました。 スコア=0-4群のOSが有意に良く(P=0.024)、TRMもOS同様に低スコアの群では有意に低く、さい帯血移植の(P=0.005)有効性・安全性が確認されました。



コメント:さい帯血移植症例の多い日本からの貴重な多数例の報告。

文献:Nagamura-Inoue T. et al. Unrelated cord blood transplantation in CML: Japan Cord Blood Bank Network analysis. Bone Marrow Transplant 2008;42:241-251