EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今月のEBM,ナウ(22)

R-CHOP vs CHOP ドイツ(GLSG)からの報告

 初発、未治療進行期(stageV,W)のろほう性リンパ腫への臨床試験第V相報告です。再発難治例へのrituximabを追加した臨床成績(文献1)の有用性は、
1.overall response, 
2.time to treatment failure 
3.overall survival
の3項目でGLSGグル−プから既に報告されています。今回は、さらに踏み込んでfrontline therapyとしてのrituximabを検討しました(文献2)。2000年から2003年に評価可能な427例を2群に分け評価。R-CHOP群222例、年齢の中央値54歳。CHOP群205例、年齢の中央値57歳。図のように治療の反応率と全生存率には差を認めませんが、TIF(18ヵ月以内の再発例比率)と3年以内の死亡率に有意差を認めました。TIFにおける差は年齢やIPIによる比較でも同様でした。なお、R-CHOPでのCR19%、PR77%に対しCHOPはCR17%, PR73%です。



結論:短期間の観察ではあるが、リツキサンを追加した治療効果は優れている。

文献1.Forstpointner R et al. Blood.2004;104:3064-3071
     2.Hiddemann W et al. Blood.2005;106:3725-3732