EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(240)

-HSCT in children with leukemia using alternative donors-
(小児高リスク白血病)

 Reviewを紹介します。
 2001年から2007年までに連続して移植を受けた単一施設からの報告。
 対象は小児高リスク白血病87例(ALL39例、MDS23例、AML12例、CML9例、その他4例)。
 骨髄破壊的な移植前処置を97%に行いました。
 移植細胞源は下図のとおり3種類。
 非血縁者間のHLA 一致または一部のHLA  mismatchドナ-を移植細胞源として用いました。
 追跡期間の中央値が30ヵ月で、
 70.9%が急性GVHDⅡを合併し、
 急性GVHDⅢ-Ⅳの頻度は4.6%。 
 慢性GVHD頻度は43.3%、
 3年EFS(event free survival)は59.5%、
 100日以内の移植関連死亡(TRM)はわずかに4.5%、
 全体のTRMは13.8%そして再発率は16.1%でした。



結論:EFSから判断すればHLA一致の血縁ドナ-がいなくても、非血縁の上記細胞から移植することは許される判断です。

コメント:急性GVHD頻度が高く、再発率が低い事はGVL効果かもしれません。

文献:Sedlacek P et al. Allo-SCT in children with high-risk leukemia using unmanipulated grafts from alternative donors. Bone Marrow Transplant 2008;42:S10-S15.