EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(242)

-Allogeneic SCT in composite and transformed lymphoma-
(予後不良リンパ腫への移植:長期予後)

 予後不良な組織学的に進展した(transformed)リンパ腫に対する同種移植の報告。
 ろほう性リンパ腫の約3%が毎年transformedリンパ腫、高悪性度リンパ腫となり、その生存期間は11-22カ月とされている。
 対象は40例。
 年齢の中央値は44歳、
  診断から移植までの中央値は26ヵ月。
 移植前処置は1例だけがミニ移植。
 ドナ-は非血縁者からが15例、
 25例は血縁者からの移植。
 移植後生存者11例の追跡期間の中央値は25ヵ月、5年無病生存率は23%。
 再発死亡は14例、5年累積再発率は42%。
 移植関連死亡(transplant related mortality:TRM)は15例、3年累積TRMは36%。
 診断から1年以内に同種移植が施行(8例)されると、1年以後の32例より予後は4倍程度良好であった(P=0.02,HR=4.7)。



結論:診断から1年以内の移植が予後良好因子。図のように再発とTRMが今後の課題。

コメント:EBM16,236そして237では、組織学的に進展していないリンパ腫再発へのミニ移植の報告です。参考まで。


文献:Ramadan KM et al.  Allogeneic SCT for relapsed composite and transformed lymphoma using related and unrelated donors: long-term results. Bone Marrow Transplant 2008;42: 601-608.