EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(243)

-Nonmyeloablative HCT in indolent and transformed NHL-
(予後不良リンパ腫へのミニ移植)

 Indolentリンパ腫に対するミニ移植の報告。
 対象は再発、難治そしてtransformedリンパ腫の計62例。
 年齢中央値54歳、移植までに6コ-スの化学療法を受けており、移植後の追跡期間中央値は36.6ヵ月。
 ドナ-は血縁が34例、非血縁は28例。
 診断から移植までの中央値は4.4年(range:0.5年から18.5年)。
 下図に示すようにtransformedリンパ腫の3年全生存率(OS)はNon transformedリンパ腫と比較して低く、ミニ移植での有用性を認めない。



結論:対象が高齢でかつ前治療が多いにもかかわらず、ミニ移植の有効性が認められる。とくにnon transformedリンパ腫、血縁ドナ-からの症例の生存率は2年以後で平坦となる。しかし、transformedリンパ腫では予後不良。

コメント:EBM242では診断から移植までの期間が1年以内であることが予後良好因子であった。この報告ではその中央値が4年以上と長すぎる事が課題。

文献:Rezvani A et al. Nonmyeloablative allogeneic hematopoietic cell transplantation in relapsed, refractory, and transformed indolent non-Hodgkin’s lymphoma. JCO 2008; 26: 211-217.