EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(260)

-RIC-allo-SCT improve the outcome in advanced MM-
(アメリカ血液学会抄録から:再発後の同種移植、MDACC報告)

 多発性骨髄腫(MM)への骨髄破壊的前処置による同種移植後の移植関連死亡率(TRM)はミニ移植(RIC)では15%(EBM259)にまで軽減します。 骨髄破壊的前処置による移植方法(MA)ではTRMが30-40%と高いため、主治医はMAを躊躇する事がよくあります。 MDACC (MD Anderson Cancer Center)における22年間のMA18例と51例のミニ移植治療成績とを中央値27ヵ月の追跡期間で比較した後方視的研究。 下表のようにRIC群ではTRMが有意に低く、さらにPFS,OSが有意に延長しています。



コメント:ミニ移植(RIC)群に寛解維持例が13例中7例あり期待がもてます。しかし、移植後の生存率が50%を越えるためには移植時病期などの細かな改善が必要。

文献:Cole SM.et al. Reduced-intensity regimens for allogeneic stem cell transplantation improve the outcome in advanced multiple myeloma. Abstract #3298 appears in Blood. volume112: 2008.