EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(266)

-Similar survival after auto PB vs allo BMT for AML in CR1-
(2008アメリカ血液学会抄録から:AML移植方法比較)

 対象は初回寛解期急性骨髄性白血病(19歳から60歳)1133例、HLA一致のドナ-から骨髄破壊的前処置による骨髄または末梢血幹細胞移植とHLA一致ドナ-のいない例には自家移植を施行した。 評価項目は以下の表のように、再発率、TRM(移植関連死亡率)そしてLFS(無白血病生存率,leukemia free survival)。 同種骨髄移植と同種末梢血幹細胞移植群間には差を認めないため、同種移植群と自家移植群間で比較した。 明らかに自家移植群に再発が多く、TRMは低いが肝心のLFSでは2群間に有意差を認めず。



結論:AML初回寛解後の治療選択肢として、HLA一致ドナ-が見つからない時、自家末梢血幹細胞移植は有力な選択肢である。 今後、前方視的臨床研究が必要。

コメント:自家移植では再発予防、同種移植では移植関連死亡を避ける工夫が求められている。

文献:Keating A. et al.  Similar 5-year survival after peripheral blood auto transplants (auto PB) versus HLA matched sibling myeloablative transplants (allo BMT) for acute myeloid leukemia(AML) in first complete remission(CR1). Abstract #2168 appears in Blood. volume112: 2008.