EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(295)

-Improving survival in CLL-

(慢性リンパ性白血病の生存率改善)

 高齢者に多い慢性リンパ性白血病(CLL)はその臨床経過も多彩である。 生存期間の中央値はおよそ10年。

対象:1980年から2008年まで観察した929例の単一施設報告、Barcelonaから。

結果:表の数字は『死亡者数 /1000 patient-years』70歳以下を若年とした。 観察期間の中央値は5.9年(0.1~25.4年)。 若年/予後不良群の死亡例のみが有意に減少している。

  1995~2004 1980~1994
高齢/予後不良群 197 164
若年/予後不良群 48 144
高齢/予後良好群 45 52
若年/予後良好群 27 29
予後不良群;Binet stage B,C   :予後良好群;Binet stage A

考察:新規治療法(1994年まではアルキル化剤、1995年以後はプリンアナログと造血細胞移植が主体)により、若年層の進行期群の死亡率は有意に減少した。 高齢群での予後改善はみられない。

コメント:文献Table 1 をみると予後良好群が全体の7~8割を占めている。生存期間は上述のように長い。 したがって、上記観察期間の中央値が10年以上となれば、予後良好群でもさらに正確な評価が得られると予想される。

文献:Abrisqueta P et al. Improving survival in patients with chronic lymphocytic leukemia(1980-2008):the hospital Clinic of Barcelona experience. Blood 2009; 114: 2044-2050