EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(300)

-Non-infectious pulmonary complication in children-
(移植後期の非感染性肺合併症)

 小児における造血細胞移植後非感染性肺合併症(LONIPCs:BO;bronchiolitis obliterans,IPS;idiopathic pulmonary syndrome, BOOP; bronchiolitis obliterans with organizing pneumonia)の報告。

対象:2007年までの10年間に移植を受け3ヶ月以上生存の97例。 年齢中央値は8.6歳。 小児血液悪性腫瘍が39例、非悪性が55例そして固形がん3例。

結果:①10例が移植後187日目にLONIPCs合併(BOが8例、IPS2例)。

    ②2例はステロイド奏功、6例死亡。

    ③LONIPCs発病のリスクは多変量解析によると
        1..慢性GVHD
        2..基礎疾患がハイリスク例。

    ④5年生存率はLONIPCs合併例で28%。 非合併例では87.2%。

考察:LONIPCsの病態は解明されていないが慢性GVHDがその一つ。 予後極めて不良のため予防対策は急務。

コメント:GVHDに対する新規治療薬に期待したい。

文献:Nishio N et al. Late-onset non-infectious pulmonary complications following allogeneic hematopoietic stem cell transplantation in children. Bone Marrow Transplant 2009; 44:303-308