EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(306)

-Allogeneic HCT after 131I-antiCD45 AB,Flu,TBI-
(高齢者ミニ移植への工夫)

目 的:131I-antiCD45をミニ移植全処置に用いた高齢者進行期急性骨髄性白血病治療成績。

対 象:50歳以上が対象、その年齢中央値は63歳。 非血縁者間移植が36例、血縁者からは22例。 86%の症例は移植前の白血病細胞が5%以上、過去の成績によるとその条件では移植後再発率が50%以上とされる。

結 果:移植後28日までに全症例がドナータイプで生着し完全緩解を達成。 移植後100日までの NRMは12%。1年再発率は40%、1年予想生存率は41%。

考察: 131Iで標識したCD45抗体(FHCRC開発)を用いたミニ移植成績。次の段階として、比較試験が必要である。

コメント:化学療法だけでは寛解維持が困難な高齢者への

     治療選択肢が増える話題。標的療法とミニ移植の今後の成績に期待。

文献:Pagel JM et al. Allogeneic stem cell transplantation after conditioning with antibody plus fludarabine and low-dose total body irradiation for elderly patients with advanced acute myeloid leukemia or high-risk myelodysplastic syndrome. Blood. 2009; 114: 5444– 5453.