EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(307)

-Cytogenetics and prognosis in myelofibrosis-
(染色体解析と予後判定)

目的:原発性骨髄繊維症(PMF)の予後を染色体結果別に解析した。

対象:18歳以上のPMF200例。診断から6ヶ月以内の染色体検査結果を用いた。

結果:200例が対象、観察期間の中央値は41ヶ月、99例の死亡が確認された。 生存期間中央値は74か月。 造血細胞移植を受けた症例はsensoredとした。 診断時に83例(42%)が染色体異常を示した。 下表のように予後を比較した。

染色体異常の種類 染色体リスク 症例 生存期間中央値
del(13q)単独、del(20q) 単独、+9単独 良好 35 113ヶ月
正常核型 正常 117 80ヶ月
-5,-7,13q,+9,del(20q),+8単独ではなく、複雑な異常を伴うもの その他 28 46ヶ月
上記以外の複雑な染色体異常、+8単独例 不良 20 34ヶ月

考察:5番、7番、17番染色体異常の症例数が少なく、さらなる症例の蓄積が必要。

コメント:PMFにおいては骨髄穿刺液の採取がほとんどの症例では
     困難で染色体解析は困難であったろうと推測。


文献:Hussein K et al. International prognostic scoring system-independent cytogenetic risk categorization in primary myelofibrosis. Blood. 2010; 115:496-499.