EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(326)

-Autotransplantation for APL in CR-
(福岡からの報告)

福岡BMTグループからの17年間の移植成績

目的:APL(急性前骨髄球性白血病)に対する寛解期自家移植成績

対象:1992年から2008年、26例のAPLを後方視的に検討
    16歳から68歳で年齢の中央値は45歳
    診断時の白血球数>1万は5例、それ以下は21例
    初回寛解期(CR1)移植は20例、第2寛解期(CR2)が6例
    再発しCR2移植の6例は診断時の白血球数が1万以下

方法:全例においてATRA主体の寛解導入を施行 
    RT-PCRにてPML/RARαを検査しえた21例の輸注移植細胞はすべてMRD陰性

結果:生着は迅速、移植関連死亡なし
    CR1自家移植の20例は観察期間中央値11年で全例寛解維持
    CR2自家移植の6例は中央値3.44年で同様に全例寛解維持

考察:海外からの多数例の報告ではCR1移植でも71%

コメント:APL治療において移植は第一選択肢ではないが、再発例ではRT-PCRにてPML/RARα陰性なら選択肢となりうる

文献 Kamimura T et al. Role of autotransplantation in the treatment of acute promyelocytic leukemia patients in remission: Fukuoka BMT Group observations and a literature review. Bone Marrow Transplantation advance online publication, 6 September 2010; doi:10.1038/bmt.2010.207