EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(332)

-ABVD vs. BEACOPP for Hodgkin’s lymphoma-
(進行期ホジキン病への化学療法比較)

的:ABVDBEACOPP療法の比較

象:17歳から60歳の治療歴のない進行期ホジキンリンパ腫331例を2群に無作為に割り付け、無増悪生存率そして全生存率を比較した

果:2000年から2007年までに登録が行われた。 168例がABVD、163例がBEACOOPに登録された。 下表のように血液学的副作用がBEACOPP療法に有意に強く、全生存率では有意差がみられていない。

 

ABVD168例)

BEACOOP (163)

P value

完全寛解率

64

70

再発率

11

 4%

年無増悪生存率

73

85

0.004

血液学的副作用

43

81

0.001

全生存率

84

89

0.39

考 察:BEACOPP 群では ABVD 群と比較して初期の腫瘍コントロールは良好だが,長期臨床転帰に両レジメン間で有意差は認められなかった。

コメント:全生存率で2群間に有意差が認められないが、血液学的副作用の多いBEACOPPが7年無増悪生存率において12%高値であることをどう判断するか今後の課題。

文献1 . Viviani S et al. ABVD versus BEACOPP for Hodgkin's lymphoma when high-dose salvage is planned.N Engl J Med 2011;365:203