EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今月のEBM,ナウ(47)

再発・難治性急性前骨髄球性白血病治療剤

 タミバロテン(Am80;アムノレイク)は1984年に東京大学薬学部の首藤らが新規合成したレチノイドです。厚労省がん研究助成金による白血病研究班が、ATRA投与後、再発例の急性前骨髄球性白血病24例に対してアムノレイクによる分化誘導療法を試み、14例(58%)が完全寛解に到達しました。 その後、臨床試験が開始され、再発・難治性APLに優れた有効性が認められ2005年6月に承認されました。本剤はトリセノックス(EBM44)同様に十分な経験が投与には必要であると警告が出されています。副作用を図に示します。



追加コメント:臨床第U相試験で完全寛解率は61.5%、ATRA後の初回再発でも完全寛解率は81%。副作用に十分注意すれば有効性の高い薬剤です。

文献1.大西一功 急性前骨髄球性白血病。癌の臨床 2002年 48巻 第11号、p669-678