EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(52)

慢性ITPにリツキサン


 36名の重症慢性ITP(血小板減少性紫斑病、年齢2歳から18歳)にリツキサンを投与した臨床研究。4週連続投与で血小板数が5万以上に回復したのは31%。リツキサン投与関連の有害事象は予防的前処置するも、47%に認めた。リツキサンはCD20陽性のBリンパ球に作用するキメラ抗体薬。Bリンパ球を除去する事で、自己免疫疾患への臨床効果が期待される。



表に有効・無効例の背景比較を示す。2群間に差はみられない。

結論:摘脾をすすめたくない小児科領域の難治性ITPへのリツキサン投与は有益な治療法と考えられる。

コメント:大人の54%という奏功率(Bri J Haematol 2004; 125:232-239)より低い成績。しかし、同一対象、後方研究(J Pediatr 2005; 146:217-221)では63%という報告もある。

注意:国内では承認されていない使用法です。

文献:Bennett CM et al. Prospective phase 1/2 study of rituximab in childhood and adolescent chronic immune thrombocytopenic purpura. Blood 2006; 107:2639-2642.