EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(74)

自家移植の問題点と対策

 自家移植後の移植関連骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病(t-MDS/AML)の発生と幹細胞採取困難例との関連を調べた。対象はリンパ腫に対する自家移植526例。リンパ腫診断名を図に示す。追跡期間の中央値は69ヵ月、20例がt-MDS/AMLを発病。染色体分析施行された15例中、9例にmonosomy 7を認めた。t-MDS/AML10年発病予想率は6.8%。移植前の患者背景因子を多変量解析にかけたところ、①放射線治療歴、②4-5回の化学療法歴、③5日以上の幹細胞採取の必要性、であった。以上3項目はt-MDS/AML発生の独立した危険因子となる。



コメント:自家移植施行時には可能な限り上記の危険因子を避ける事。

文献:Kalaycio M et al. Risk factors before autologous stem cell transplantation for lymphoma predict for secondary myelodysplasia and acute myelogenous leukemia. J Clin Oncol 2006; 24:3604-3610.