EBMナウ
EBM (Evidence based medicine::単なる、少数例の経験から得た知識ではない根拠に基づく医療行為。
今週のEBM,ナウ(87)

POEMS症候群に自家移植

 36歳男性、POEMS症候群に対して、化学療法後にG-CSFを併用して、末梢血幹細胞を採取した。その後、CliniMACSを使用してCD34陽性細胞を選別保存した。自家移植の前処置はmelphalan 100/m2/mg/day, 2 days。2回の自家移植を施行し20ヵ月以上経過している。神経症状は徐々に改善し、現在は日常生活に障害を認めない。VEGF(vascular endothelial growth factor) は診断時に14,900 pg/mL, (normal,62-707)であったが正常化した。なお、診断時のIgG値は3264mg/dL、IgG λ型の単クロ-ン性。IgAとIgM値は正常。骨髄には20.4%の形質細胞を認めた。染色体検査は正常。

従来の報告と違う点は
1.Tandem transplant
2.CD34 positive selection to minimize tumor cell contamination.
以上。


コメント:POEMS症候群へのfirst lineの治療法として期待できる。

文献:Kojima H et al. Successful treatment of a patient with POEMS syndrome by tandem high-dose chemotherapy with autologous CD34+ purged stem cell rescue. Int J Hematol. 2006; 84: 182-185.